1984年、14歳だった自分にとって、Michael Jackson は単なる海外スターではなかった。
毎日がマイケル中心に回っていたと言っていい。
初めて「Thriller」のMVを見た時の衝撃。
あの赤いジャケット。
ムーンウォーク。
学校で誰が一番うまく真似できるか競った昼休み。
ラジカセから流れる「Beat It」。
深夜に眠い目をこすりながら見た洋楽番組。
当時の自分にとって、マイケルは“未来”そのものだった。
そして40年以上たった今、映画 Michael を観た。

正直、最初は少し怖かった。
思い出を壊されたくない気持ちがあったからだ。
しかし映画が始まり、若き日のマイケルが歌い始めた瞬間、不思議なくらい1984年の空気が戻ってきた。
特にステージシーンでは、胸が熱くなった。
「ああ、自分は本当にこの人に夢中だったんだ」と、忘れていた感情が一気によみがえった。
映画は単なるスターの成功物語ではなかった。
世界一有名になった人間の孤独、重圧、繊細さも描かれていた。
14歳の頃の自分は、ただ“かっこいいマイケル”しか見ていなかった。
でも今の年齢になって観ると、その裏にいた一人の人間の苦しさも感じる。
だから今回は、青春映画であると同時に、少し切ない映画でもあった。
エンドロールで「Man in the Mirror」が流れた時、不思議と自分自身の人生まで重なった。
1984年の14歳の少年。
そして2026年の自分。
長い時間が流れた。
それでも、あの頃マイケルを聴いて胸を躍らせていた気持ちは、どこかにちゃんと残っていたのだと思う。
映画館を出たあと、久しぶりにイヤホンで「Billie Jean」を聴いた。
街の景色が、少しだけ1984年に戻って見えた。